シュン
メカニロイドが爆裂したのを確認すると、コ−ドはすぐにア−マ−を解いた。
目の前の少女に、正体を知られたらまずいからだ。
「ふぅ・・・大丈夫?」
コ−ドは、尻餅を突いている少女に、手を差し出した。
「あ・・・ありがとう。ございます・・・」
少女は、ぎこちない様子で、コ−ドの手を取った。
「とりあえず、この街のメカニロイドは、全機いなくなったから。
・・・そう言えば、君名前は?」
「ヒカル・・・ヒカル・チェレスタ。
あの・・助けてくれてありがとう。」
ヒカルと名乗る少女は、そう控えめに言った。
「あぁいいよ。それと、街のメカニロイドはもういないから、もう帰れるよ。」
コ−ドは、そう言うと、その場を去ろうとしたが。
「待って!あなた・・腕怪我してるじゃない。」
「ん・・?あぁ・・。」
いつのまにか怪我をしていたらしい。右腕から少量の鮮血が滲んでいる。
「家においでよ。手当て位は出来るからさ。」
「え?ぇぇ・・」
ヒカルは、勝手にそう決め込むと、コ−ドをグイグイと引っ張っていった。

ヒカルの家。

「ねぇ君。どうして君は、こんな街に来たの?」
ヒカルは、コ−ドの腕に包帯を巻きながら言う。
「ん?あぁ・・えっと・・・ほ・・放浪の旅なんだよ!
それでたまたま通り掛かって」
コ−ドは、ひどく慌てた様子で答える。
「へぇ〜。そういえば、名前聞いてなかったね。君の名前。」
ヒカルは、少々茶目っ気を込めて問う。
{まずいなぁ・・僕がロックマン・コ−ドだって解ったら、彼女まで襲われるかもしれない・・
なにかいい方法は・・・!そうだ!}
「えっと・・・輝。松浦 輝{マツウラ アキラ}。」
コ−ドは、以前テレビで聞いたことのある名前を、適当に名乗った。
「輝君かぁ。良い名前だね。ところで輝君。
君、放浪の旅って言ってたけど、ちゃんと宿用意してる?」
「え・・?ん・・えっと・・」
コ−ドは、予想外の事を聞かれたので、言葉が詰まってしまう。
「あぁ〜。その様子じゃぁ、用意してないわねぇ。
なんなら家に泊まったらど?宿泊代要らないからさ!」
「じゃ・・じゃあ・・お言葉に甘えますか。」
宿泊代なし〜コ−ドは金を持ってない上、いつもは野宿〜の言葉に反応したコ−ドは、
しばらくヒカルの家に世話になることにした。

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